「食物繊維は第六の栄養素」と呼ばれることをご存じですか?
たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルに次ぐ“第六の栄養素”として、食物繊維は私たちの健康に欠かせない存在です。特に注目されているのが、腸内環境への働き。食物繊維のポイントは、“小腸で吸収されず、大腸まで届く”という性質。まるでお掃除ロボットのように、腸の中をキレイにしてくれる頼もしい存在です。

便秘の予防・改善はもちろん、血糖値の急上昇を防いだり、血中コレステロールを下げたりと、食物繊維の効果は多岐にわたります。特に注目されているのが、腸内環境への影響。腸のバランスを整えてくれるのです。
欧米において一日あたり24g以上の摂取で、心筋梗塞、脳卒中、2型糖尿病、乳がん、胃がん、大腸がんなどの発症リスク低下が観察されるとの研究報告があります。体内でコレステロールから作られる胆汁酸の体外(便中)への排泄を促進し、血中コレステロール値を下げます。また食後の糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の急激な上昇を抑える作用があるためです。
(参考 清水純.厚生労働省.食物繊維の必要性と健康.< https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-05-001 >.参照日2025年7月22日)
実は、戦後まもなくの日本人は一日20g以上の食物繊維を摂っていました。しかし、食の欧米化が進み、今では平均14g前後。健康的に暮らすために推奨されている「目標量」は、男性21g以上、女性18g以上。つまり、多くの人が毎日3~7gも足りていないのです。
そんな食物繊維を豊富に含む食材の代表格が「寒天」です。寒天には、なんと100g中約75g以上が食物繊維(日本食品標準成分表八訂)という驚異的な含有量があり、毎日の料理に少し取り入れるだけで効率よく補うことができます。

寒天は無味無臭でクセが少ないため、味噌汁やスープの具として、水で戻してサラダに乗せても美味しく食べられます。おやつにフルーツ寒天や、食事にところてんをプラスするだけでも、普段不足しがちな食物繊維を手軽に取り入れられます。毎日の食卓にちょっと加えるだけで、“腸から整う健康習慣”が始まります。